【知らないと損】高齢者の免許返納で受けられるメリットと特典を総まとめ

予防医療

目次

  1. 免許返納とは?制度のしくみをやさしく解説
  2. 免許返納で得られる5つのメリット
  3. 知っておきたい全国共通の特典
  4. 広島県・広島市で受けられる特典
  5. 「免許証がないと身分証明できない」は誤解です
  6. 免許返納の手続きはとてもかんたん
  7. まとめ

「親に免許を返してほしいけど、メリットがないと本人が納得しない」「免許を返したら不便になるだけでは?」――そんな不安を感じている方は多いのではないでしょうか。

実は、運転免許証を自主返納すると、タクシーやバスの割引、金融機関の優遇金利、身分証明書の代わりになる運転経歴証明書の交付など、思いのほか多くの特典が用意されています。

この記事では、整形外科医の視点から免許返納のメリットと特典を分かりやすくまとめました。ご本人にもご家族にも役立つ内容ですので、ぜひ参考にしてください。


1. 免許返納とは?制度のしくみをやさしく解説

免許返納(正式には「運転免許証の自主返納」)とは、運転免許証が不要になった方が、自分の意思で免許証を警察署や運転免許センターに返す制度です。

対象年齢の制限はありませんが、主に高齢ドライバーの事故防止を目的に推進されています。2025年の警察庁の統計では、交通事故死者2,547人のうち約56%が65歳以上の高齢者でした。85歳以上では、免許保有者10万人あたりの死亡事故件数が全年齢平均の約3.4倍にのぼります。

返納は「あぶないから取り上げる」ものではなく、ご本人の判断で安全を選ぶ前向きな決断です。

2. 免許返納で得られる5つのメリット

免許返納には、単に「事故リスクが減る」だけではない多面的なメリットがあります。

交通事故のリスクがゼロになる ─ 加齢による視野の狭まり、反応速度の低下、判断力の衰えなどは、本人が自覚しにくいものです。返納することで、ご本人だけでなくご家族の心配も大きく軽減されます。

経済的な負担が減る ─ 自動車の維持費は年間30〜50万円ほどかかるといわれています。ガソリン代、車検代、保険料、税金、駐車場代など、免許返納をきっかけにこれらの出費がなくなります。浮いたお金でタクシーを利用しても、十分おつりがくるケースも少なくありません。

自治体や企業の特典が受けられる ─ 全国各地で、タクシー割引、バス乗車券、商品券、金融機関の金利優遇など多くの特典が用意されています(詳しくは次の章で解説します)。

運転経歴証明書が身分証明書になる ─ 返納後に申請できる運転経歴証明書は、免許証と同じサイズで、公的な身分証明書として生涯使えます。「免許を返すと身分証がなくなる」という心配はいりません。

家族の安心につながる ─ 遠方に住むお子さんやお孫さんにとって、高齢の親御さんの運転は大きな心配事です。返納は「家族全員の安心」を手に入れることでもあります。

3. 知っておきたい全国共通の特典

免許返納後に「運転経歴証明書」を取得すると、全国の協賛企業・自治体からさまざまな特典を受けることができます。主なものを紹介します。

交通関連の特典 ─ タクシー運賃の10%割引(全国のタクシー会社多数が対応)、路線バス運賃の半額割引(地域による)、コミュニティバスの無料乗車券など。

金融機関の優遇 ─ スーパー定期預金の金利優遇(店頭金利+0.05%など)を行っている金融機関があります。

商業施設の割引 ─ 百貨店やスーパーでの配送料無料、飲食店の割引、引越し料金の割引なども。

その他の生活サポート ─ 人間ドックの割引(例:51,700円→39,600円)、車の売却時のお米プレゼントや査定額アップなどの特典も。

特典の対象は原則65歳以上ですが、自治体や企業によって異なります。お住まいの地域の特典は、警察署の窓口や各自治体のホームページで確認できます。

4. 広島県・広島市で受けられる特典

広島県では、県と警察が連携して免許返納者への支援事業を展開しています。

タクシー運賃の割引をはじめ、県内の支援事業所による商品割引サービスなどが利用できます。支援事業所の一覧は広島県の公式ホームページで公開されていますので、返納を検討されている方はぜひチェックしてみてください。

詳しい情報は、広島県警察本部交通部交通企画課(電話:082-228-0110)でも案内しています。

5. 「免許証がないと身分証明できない」は誤解です

「免許証を返したら、病院や銀行で身分証明ができなくなるのでは?」──これは多くの方が心配されるポイントですが、実はしっかりとした代替手段があります。

運転経歴証明書 ─ 免許返納と同時、または返納後に申請できます。免許証と同じカードサイズで、公的な身分証明書として生涯使えます。手数料は1,150円です。

マイナンバーカード ─ 2025年3月から「マイナ経歴証明書」が始まり、マイナンバーカードに運転経歴情報を記録できるようになりました。手数料は900円で、カード1枚で身分証明と経歴証明の両方が可能です。運転経歴証明書とマイナ経歴証明書を同時に取得する場合は1,250円です。

つまり、免許証を返しても身分証明に困ることはありません。むしろ、マイナンバーカードを活用すれば、カード1枚でより多くの手続きが完結するようになります。

6. 免許返納の手続きはとてもかんたん

免許返納の手続きは、以下のとおり非常にシンプルです。

持ち物 ─ 運転免許証(有効期限内のもの)。運転経歴証明書を同時申請する場合は、申請用写真1枚と手数料1,150円も必要です。

手続き場所 ─ お住まいの地域の警察署、または運転免許センター。

所要時間 ─ 通常30分〜1時間程度で完了します。

代理人による申請も可能な場合がありますので、ご本人の外出が難しい場合は事前に警察署へ相談してみてください。

まとめ

免許返納は「不便になる」ことではなく、「安全と特典を手に入れる」前向きな選択です。事故のリスクをなくし、年間30〜50万円の車の維持費を節約でき、さまざまな割引特典も受けられます。身分証明書も、運転経歴証明書やマイナンバーカードでしっかり代替できます。

ご本人が前向きに検討できるよう、まずはこの記事をきっかけに「返納したらどんないいことがあるか」を一緒に話し合ってみてはいかがでしょうか。


よくある質問

Q1. 免許返納は何歳からできますか?

回答: 年齢制限はなく、何歳でも自主返納できます。ただし、各種特典を受けるには「65歳以上」を条件にしている自治体・企業が多いです。

Q2. 一度返納したら、もう免許は取り直せないのですか?

回答: 法律上、返納後でも再取得は可能です。ただし、一から教習所に通い、試験に合格する必要があります。

Q3. 認知症と診断された場合、免許は自動的に取り消されますか?

回答: 認知症と診断された場合、道路交通法により免許は取り消しまたは停止となります。自主返納とは異なり、この場合は運転経歴証明書を取得できないこともありますので、早めの返納をおすすめします。

Q4. 運転経歴証明書に有効期限はありますか?

回答: 2012年4月1日以降に交付された運転経歴証明書には有効期限がなく、生涯使えます。住所変更があった場合は記載事項の変更手続きが必要です。


監修:Dr.T

参考文献:

  1. 警察庁「令和7年における交通事故の発生状況について」
  2. 政府広報オンライン「運転免許証の自主返納について考えてみませんか?」
  3. 広島県「運転免許証を返納された方に対する支援について」
  4. 警視庁「マイナンバーカードと運転免許証の一体化について」

免許返納シリーズ 関連記事

コメント

タイトルとURLをコピーしました