この記事をスマホで読む

目次
- 目のオートフォーカス機能のしくみ
- スマホ老眼とは
- ドライアイはなぜ起こるのか
- 目を守るセルフケア5選
- 目の健康を支える生活習慣
- こんな症状が出たら受診を
- まとめ
目のオートフォーカス機能のしくみ
人の目には、カメラと同じように精巧なオートフォーカス機能が備わっています。目に入った光は、まず「角膜(かくまく)」という第一のレンズで曲げられ、次に「水晶体(すいしょうたい)」という第二のレンズで微調整されて、目の奥の「網膜(もうまく)」に像を結びます。
この水晶体の厚みを調節しているのが、「毛様体筋(もうようたいきん)」という筋肉です。近くを見るときは毛様体筋が緊張して水晶体を厚くし、遠くを見るときはゆるんで水晶体を薄くします。この切り替えが瞬時に行われることで、私たちはさまざまな距離のものにピントを合わせることができるのです。
スマホ老眼とは
スマートフォンの小さな画面を長時間見続けていると、毛様体筋が過度に緊張し続けます。筋肉は使いすぎると疲労して硬くなりますが、それは毛様体筋も同じです。
毛様体筋が疲労すると、水晶体の厚みをうまく調節できなくなり、近くのものにも遠くのものにも焦点が合いにくくなります。これが「スマホ老眼」と呼ばれる症状です。
加齢に伴う老眼は水晶体そのものが硬くなることが原因ですが、スマホ老眼は毛様体筋の「一時的な疲労」が原因です。つまり、20代や30代でも起こりうる症状なのです。
ドライアイはなぜ起こるのか
目の疲れには「ドライアイ」が関係していることも少なくありません。ドライアイとは、目の表面をおおう涙が薄くなったり、部分的になくなったりした状態のことです。
涙は3つの層(油層・水層・粘液層)でできており、それぞれが協力して目の表面を保護しています。ドライアイになると、目に不快感や痛みが生じ、角膜が傷つきやすくなります。
ドライアイが起こる主な原因は、涙の分泌量の低下と涙の蒸発の増加です。スマホやパソコンに集中しているとまばたきの回数が減り、涙の蒸発が促進されてドライアイになりやすくなります。通常は1分間に20回ほどのまばたきが、画面を見ているときは3分の1程度に減るといわれています。
目を守るセルフケア5選
① 20-20-20ルールを実践する: 20分ごとに、20フィート(約6メートル)先を、20秒間眺めましょう。遠くを見ることで毛様体筋がリラックスし、目の疲れを和らげます。
② 意識的にまばたきをする: スマホやパソコンを使うときは、意識的にまばたきの回数を増やしましょう。まぶたをぎゅっと閉じてパッと開く「ぎゅっパッ体操」も効果的です。
③ 画面の明るさと距離を調整する: スマホの画面が明るすぎると目の負担が増えます。周囲の明るさに合わせて自動調整する設定を活用しましょう。また、画面と目の距離は30センチ以上離すことを心がけてください。
④ 目のまわりを温める: 蒸しタオル(電子レンジで温めた濡れタオル)を閉じた目の上に5分ほど乗せると、目のまわりの血行が良くなり、毛様体筋の緊張がほぐれます。涙の油分を分泌する「マイボーム腺」のつまりを解消する効果も期待できます。
⑤ 人工涙液型の目薬を使う: ドライアイが気になるときは、防腐剤フリーの人工涙液型目薬を使いましょう。クールタイプよりも、涙に近い成分のものがおすすめです。
目の健康を支える生活習慣
目の健康は、全身の健康と密接につながっています。十分な睡眠をとること、バランスのよい食事を心がけること、適度な運動をすることが、結果的に目の健康維持にも役立ちます。
とくに、ブルーベリーやほうれん草に含まれる「ルテイン」、青魚に多い「DHA」などは、目の健康をサポートする栄養素として知られています。
また、部屋の湿度が低いとドライアイが悪化するため、エアコン使用時は加湿器で適度な湿度を保つ工夫も大切です。
こんな症状が出たら受診を
目のかすみが続く、目が充血してなかなか治らない、光がまぶしく感じる、視野の一部が欠けている、飛蚊症(ひぶんしょう=目の前に虫のようなものが飛んで見える)が急に増えた――こうした症状がある場合は、眼科の受診をおすすめします。
まとめ
スマホ老眼は毛様体筋の疲労、ドライアイはまばたきの減少が大きな原因です。20-20-20ルールの実践や意識的なまばたき、目の温めケアなど、日常の小さな工夫で目の健康を守りましょう。
よくある質問
Q1. ブルーライトカットメガネは効果がありますか?
回答: ブルーライトカットメガネの効果については、まだ科学的に十分な根拠が示されていません。それよりも、画面との距離を保つ、こまめに休憩するなど、使い方の工夫のほうが効果的です。
Q2. スマホ老眼は治りますか?
回答: スマホ老眼は毛様体筋の一時的な疲労が原因なので、目を休ませれば回復する場合がほとんどです。ただし、長期間放置すると症状が慢性化するおそれがあるため、早めのケアが大切です。
Q3. コンタクトレンズを使っていますが、ドライアイ対策は?
回答: コンタクトレンズはドライアイを悪化させやすいため、装用時間をできるだけ短くし、こまめに人工涙液型の目薬で潤すことが重要です。乾きにくいタイプのレンズに変更するのも一つの方法です。
監修:Dr.T(整形外科専門医)
参考文献:
- 科学雑誌Newton『ニュートン式超図解 最強に面白い!! 人体 取扱説明書編』NEWTON PRESS.
- 日本眼科学会 ドライアイ診療ガイドライン.



コメント